ラノベらしくないラノベ『この恋と、その未来。』ラノベ感想(1〜3巻)
前々から面白いとの評判は聞いていたんですが、ちょっとテーマが重そうな感じがしていたので、敬遠していました。
『このライトノベルがすごい! 2017』で文庫部門10位を獲得した作品だったので、それなら買ってみようかなと思い読んでみることにしました。
目次
『この恋と、その未来。』とは
森橋ビンゴによるラノベです。著者の他の作品は『東雲侑子は短編小説をあいしている』があるそうですが、読んだことはないです。
ただ、東雲侑子などのキャラはこの作品にも登場しています。
あらすじ
3人の姉をもつ末っ子の主人公。
長女:壱香、次女:二胡、三女:三葉と来たので、四番目に生まれた主人公は四郎は、名は体を表すというのか序列四番目としての不当な扱いを受け続けてきた。
この環境を変えるべく広島にある新設校へ入学を決意する。
全寮制であるその学校でルームメイトとなったのは、体は女だが、心は男である未来であった。
一緒に生活する中、心は完全に男だが女の部分である体を意識してしまい、そのアンバランスさに惹かれて恋してしまう。
『この恋と、その未来。』の魅力
「性同一性障害」といった難しいテーマを扱った作品。
各々のキャラの葛藤が出ていて青春してるなーと思いました。
ジャンルとしては叶わぬ恋になるんですかね。
ちょっと変わった青春恋愛物語を読みたいって人にはおすすめかと思います。
『この恋と、その未来。』各巻レビュー
ここからは1〜3巻の簡易レビューです。各巻のあらすじや若干のネタバレは含みますので、見たくない人はここまでで読むのをやめて下さい。
『この恋と、その未来。1 -一年目 春-』感想
超理不尽な三人の姉の下、不遇な家庭生活を過ごしてきた松永四郎。その地獄から逃れるため、新設された全寮制の高校へと入学を決めた彼は、期待を胸に単身広島へ。知らない土地、耳慣れない言葉、そして何よりもあの姉達との不条理な日々から離れた高揚感に浸る四郎だったが、ルームメイトとなった織田未来は、複雑な心を持つ……女性!? 四郎と未来、二人の奇妙な共同生活が始まる――。
読む前は主人公と恋人同士にでもなるのかと思ってましたが、未来の性格は完全にイケメン男子です。
女子に声かけまくりのチャラい感じです。なので未来にその毛はないです。
叶わぬとわかっていてこの恋を一生隠し通そうと決意する主人公が今後どうなっていくのか、楽しみではあります。
未来はボーイッシュとかではなく、完全に男の性格です。
主人公も初めて会ったときは完全に男だと思っていたのに、それでも体が女だからと恋してしまう。
体は女性なのでやはり意識はしてしまんでしょうかね。
まあ、姉たちに虐げられてきて、未来の性格に惹かれたっていうのもあるのかもしれませんが。
というか表紙だけみたら完全美少女ですよね、未来。
『この恋と、その未来。2 -一年目 夏秋-』感想
夏休みを迎えた四郎と未来は、和田、三好の四人で泊まりがけの旅行へ向かう。島での開放感の中、未来に三好との仲を煽られ何とも言えない微妙な気分に陥る四郎。未来に対しての決して明かすことのできない好意を秘めたまま二学期に突入した彼は、三好とともに文化祭委員を引き受けることに。穏やかな彼女に心地よさを感じながらも未来への恋心を払拭できない四郎だが、クラスが団結し賑わう文化祭に、未来の心を奪う人物が現れて……。話題作、第二幕。
今回の導入は
「せめて、誰の物にもならないで欲しい
そう思ってしまうのは、わがままだろうか」
というもの。
内容もまさしくそんな感じでしたね。
未来との恋は叶わないけど、それなら誰とも付き合って欲しくないという気持ちが出ていました。
そしてその恋心を忘れるために、言い方は悪いですが、三好を利用すると。
というか前巻からもそうですが、三好とてもいい子ですけどね。方言もかわいい(*´ω`*)
もう三好で良いですやん。。。
というか三好は主人公のどこに惹かれたんだろう(笑)
あと、姉たちに虐げられたエピソードがなかなか凄まじかったです。
湯船に浸かるとバイキン扱いされるので、シャワーだけにしたら、その分余計に水道代がかかるんだからと、お金の価値を理解させるために、水道代をお小遣いから天引きされるという。
なにその暴論(笑)
それで小遣いゼロになる月もあるってかわいそすぎる。
それは家を出たくもなりますよ。
この巻を読んで、全巻買っても問題ないかと思い、続編全て購入しました。
『この恋と、その未来。3 -一年目 冬-』感想
冬休みに入り、未来とともに帰省することになった四郎。姉達への恐怖に加え、三好に対する申し訳なさを抱え東京に戻った四郎だが、彼以上に家庭不和な未来が家を飛び出してきて、松永家で一緒に年越しを迎えることに。以前とは少し変わった家族と、父の誘いで出会った西園幽子達と賑やかな日々を過ごし広島へ帰った四郎は、西園の恋人である三並や広美の言葉に自分の不甲斐なさを痛感し、未来への気持ちを断ち切る決心を固めるが……。待望の第三幕。
今回の導入は
「好きだからこそ離れよう、そう思った
それが俺にできる、せめてもの抵抗だから」
です。
内容としては、上記の通り、このまま一緒にいてはダメだと思い、離れることを決意するって話です。
ただ、主人公の成績は良くないので、勉強はしましたが、それだけでは足りなくて、受験生のテスト監督をしてポイント稼ぐことになりますが(笑)
本巻では年末年始、いやいやながらも実家に帰ることになった主人公が、未来も戻るということで一緒に東京へ帰省することに。
そこで壱香から独り立ちし始めて、今までみたいに厳しくする必要はなくなったと告げられます。
まあ、今まで虐げられたきた主人公からしてみれば、ふざけんなですよね。
それが例え親父のようなクズ人間にならにようにするためのしつけとは言え。
そこは同情します。
まあ前巻までで壱香の主人公に対する態度はあえて厳しくしているのではみたいな気はしていましたけども。
あと、傍若無人な二胡が未来に惚れて可愛らしくなりました(笑)
バレンタインにチョコを送ろうとする二胡がいじらしいです。
でも、バレンタイン前日に送っても当日には届きませんが(笑)
それと三好も性格的におっとりなのかと思いきや、普通に積極的ですよね。
いや最初から積極的ではあったか。。。
(主人公はアプローチしてないですもん)
まあなにはともあれ未来と離れる決意をして気持ちを整理できるのかが次巻以降のポイントなのかなと。
まとめ
1〜3巻までの感想でした。
4巻以降も続きが気になるところです。
4巻以降の感想の続きは後日掲載します。